このレビューはネタバレを含みます
監督、脚本: ユホ・クオスマネン
原作: ロサ・リクソム
リョーハはずるい。
あの落差!
あのロマンチックな告白!(でも笑える)
キザでスマートでフェミニストなイケメンよりずっと女心を鷲掴みにする。
なので、ヒロインラウラがどこにでもいるストレートの女性だったら、最悪な出会いからだんだん仲良くなっていく二人の事を微笑ましいなぁと見てたと思うんだけど、最初、同性の恋人がいるレズビアンという設定だったので、うーん、彼女、バイセクシャルなんだろうか?
彼女のこの態度はリョーハを異性として好きだから?それとも友情の深いやつ?
どっち?と疑いながら観た。
その複雑さのせいで、単純な臭いラブストーリーじゃなくなって、余白のある、味わい深いラブストーリーだった。
二人は淋しさを抱えてたんだろうなぁ、それもあって惹かれあったんだろうなっていうのも好きだし、
リョーハはラウラが好きなくせに、
ラウラに抱きしめられて涙溜めてたくせに、ラウラがキスすると、それ以上自分から求めないで逃げちゃうとこも好き。
ラウラに恋人がいるって聞いたから、自分の欲望を抑えてそうしたのかもって、思わす繊細な脚本が好き。
二人がこれからどうなるのか、はっきり見せない終わり方も好き。
ハリウッドのメジャー作品とかだと、二人はこれからつき合いますって描写を見せてハッピーエンドを強調するのが、私はダサいと思うので、本作の語りすぎないとこ、そういうセンスが好き。
と思ったら、原作者もユホ・クオスマネン監督もフィンランド人なのかぁ。
ヒロインのラウラが美人じゃなくて、そんな彼女をリョーハが好きになる設定も新鮮で好き。でもハリウッドの垢抜けたセンスだと、こういう場合、ラウラがリョーハとの邂逅でどんどん魅力的に見えていく様に変化させていくと思うんだけど、本作のヒロインは最後まで垢抜けなかった笑。
そこは正直惜しいと思う。
この監督の前作『オリ・マキの人生で最も幸せな日』も予告見たらちょっと変わった視点のラブストーリーみたいで面白そうだった。