くぅー

フラッグ・デイ 父を想う日のくぅーのレビュー・感想・評価

3.8
“父は自由を渇望していた、束縛されぬ人々が知ることのない自由を。ついに父はそれを手に入れ、私にもその自由を与えた。”

»米国最大級の偽札事件の犯人だった父親への変わらぬ愛情を書き綴った実在の女性記者の回想録を、構想から15年の歳月を費やして映画化。

はい、まずその偽札事件については殆ど描かれないのでご注意を…タイトルのフラッグ・デイは米国の国旗制定記念日で本作の父親の誕生日であり、いわゆる自由奔放な父親の姿と重なります。

で、1990年代の実話ベースゆえに、ひと昔前のテイストの渋さを見事に醸し出してますね…ショーン・ペン監督ですから流石です。

そう、父親は新たなモノ作りに手を出しては失敗しの繰り返しで、安定した家庭は二の次のいわゆるダメ男で…子供達への愛情はあるけど自尊心ありきなので、何度も裏切る結果となりつつ、それでも好きな父親を何とか信じたい娘の姿は痛々しくて切なくて。

うん、そんな2人をショーン・ペンとディラン・ペンの親娘共演できっちり共鳴させるので、沁み入る様に見ちまいましたね。

さらには、ジョシュ・ブローリンにキャサリン・ウィニックに、エディ・マーサンにレジーナ・キングらのサポートも良き。
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