Miri

ブラックホール: 知識の境界線に挑むのMiriのレビュー・感想・評価

4.0
『Black Holes: The Edge of All We Know』っていう原題がいい。
人間のたどり着ける現在における最先端の知識。

ブラックホールを物理学者、天文学者が数学的・物理学的、観測、実験、シミュレーション等で解明していくというドキュメンタリー作品。
めちゃめちゃおもしろかった。2015年以前は理論上でしか存在していなかったブラックホールが、どんどん明らかになっていき2019年にブラックホールが実際に撮影される。あの画像を見たときの感動を思い出した。世の中の事象を数式で表せるところが物理学の美しいところだなと改めて感じた。
また理論物理学者のひたすら数式とにらめっこし、情報パラドックスの解消のためのC=12J の導出過程、かっこいいなと感じる。本当にすべて数式・物理学的に説明・表現できるのか?という投げかけも印象的。
Silke Weinfurter博士が言っていたように、” Black holes are out of reach. We do not know if the equations we’re using actually describe a black hole. That’s what we cannot directly test, that’s the dilemma we’re in.”
という、全く未知なものを手探りで探っていき解明していくという科学者の気概を感じるし、そこにワクワクを感じているというのを科学者のインタビューを通してすごく感じられる。

“It’ll be a decade before we know whether this path is gonna get us where we want to go. We also don’t know that it can’t. And, I also have to confess, not very scientific of me, it has the right feel.”
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