YutaTakaue

食人雪男のYutaTakaueのレビュー・感想・評価

食人雪男(2020年製作の映画)
1.5
ここ数年レビュー文を書くことが無くなりましたが、これは書かずにはいられないトンデモ映画でした!

事前に皆さんの低評価レビューを見た上で、逆に興味が湧いて劇場に足を運んだのですが、この映画が大手シネコン(イオンシネマ)で上映されたのが奇跡としか言い様がありません。というか、この作品を買い付けた配給会社と上映にOKを出した劇場側には狂気すら感じてしまいます。
これがB級やC級作品(ビデオ映画)を見慣れた人ならまだ温かい目で観れるかもしれませんが、純粋に映画を楽しもうと訪れた観客は72分間の生き地獄を味わうことになるでしょう。
その粗い作りは随所に見られます。

〈ロケーション〉
雪山が舞台なのに、そこら辺の雪の積もった裏山で撮ったような貧弱で代わり映えしないロケーション(ポスターにもあるような壮大な雪山のロケーションは一番初めの1カットのみ)
それプラス、ゲストハウスをちょっと散らかした程度の観測所。ほぼ全編この2ヶ所のみで構成されている。

〈ストーリー〉
どんな病も治すとされる「雪男草」を探すため入山したは良いものの、ビーコンを何処に設置する?しないだの、
うだうだ同じロケーションを行ったり来たりしては雪男に殺されるグダグダ具合。挙げ句の果てには「この場所はネアンデルタール人が生まれるより前の時代と繋がっている」とか衝撃の事実を口頭だけでさらっと説明する始末...なんじゃそりゃ!!

〈撮影/音楽/効果音/VFX〉
上記に拍車をかけるように、ピンボケで何を撮りたいか分からず迷い始めるカメラ問題、似たようなホラー音楽垂れ流して効果音もズレてますよ問題、面倒臭くなって銃のマズルフラッシュのエフェクト入れてない問題等々言い出したらキリがありません。

〈ゴア描写〉
ここが一番撮りたかったのでしょう。実績のあるアーティストが担当しているだけあり、人体破壊の造形は先ず先ずのクオリティ。しかし、これも予算の関係か役者の演技が下手なのか?腕がもぎ取られ、顔面も剥ぎ取られているのに、血糊は少なくリアクションが薄くて迫力に欠ける。
どうせなら、もっと振り切ってゴア描写を徹底的に突き詰めて欲しかった...
映倫がPG12指定(12歳以上)に決めたのが全てを物語っている...
「この程度のゴアじゃ、R指定にはならないね」ってきっと舐められてるよ!!
ここが中途半端なせいで、この映画の見所が皆無になってしまいました。

これ以上書くとただの悪口になってしまうので控えますが、
この作品がDVDやネット上で視聴していたら笑い飛ばして気楽に観れたのですが、
これが大手シネコンの大スクリーンで拝めたのは人生で初体験。ある意味、映画館の最高に贅沢な使い方が出来たと思えば、これはこれで良い思い出になったのかも 笑
YutaTakaue

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