YasujiOshiba

牛首村のYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

牛首村(2022年製作の映画)
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アマプラ。ホラー映画ってさ、やっぱりスクリームクイーンが肝心。その意味で Kōki, はよかった。

途中で帰ってきたなぎちゃんが、映像を見るなり「あらあの二人の娘さんじゃん」だって。おいらはそこで初めて木村光希と気づく。たしかに綺麗な娘だなと思ったわ。

そのコーキちゃん、目力がある。カメラ越しに絵になってる。これ大事。立ち姿もすらりと素敵で、難を言えば歩いたり走ったりが今ひとつ。とはいえ、そのスクリームの作り方には拍手。天性という言い方は嫌いだけど、天性でいいんじゃないかな。どこか満島ひかりっぽさがあるんだけど、まだまだ若いし、今後に期待。いい女優さんに育ってほしい。

村シリーズの三本目だけれど、ドッペルゲンガーというコンセプトが映画的。分身ってやつだけど、ラストの村で牛の首被った子供たちが大人の後ろに隠れて、ふたたびパッとあらわれるところ。いい感じドッキリでした。

それ以前にも、鏡を使ったドッキリをあちこちで密かに使っているのもよし。大袈裟ではないというのが大事。クライマックスは、デビルマンのジンメン(人面)やらクローネンバーグやらを思い出した。あの皮膚の内側からグニャリと移動する異物の描写から変身への展開はなかなかで、ああ、そうきたかという驚きがあったな。こいつがラストに繰り返されちゃうのは、まあ予想通りだけれど、予想通りのホラーはよいホラー。

「依代」というコトバも登場したけれど、「霊が乗り移る人」という意味では、俳優も近い。ぼくはよく俳優の人と登場人物の融合したものの意味で使う。この映画の俳優さんたちも、それぞれ見事な依代ぶり。細かい演出のおかげもあるのかな。楽しく怖がりながらの眼福でした。
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