後半、物語構造にも画にも、監督の映画に対する愛が感じられ、その潔さも含めて、見終わって、幸せな気持ちになった。
夢、妄想、映画、その中で生きる、ありえたかもしれないもう一つの人生。
そこまで複雑ではないものの、二重三重の構造になっている。
(あの口の動きと声のズレ、そういうことかぁ…!)
患者と接している時の主人公の白衣の姿、表情が、なんと素敵に撮られていることか。患者のひたすらギブスをさすっている姿、クスッと笑えるやりとり。
さえない音響技師の男もよかった。
海の中と、海岸でのキスシーン、これ、監督、撮りたかったんだろうなぁ…。
既視感のある画ではあるが、分かっていても、グッとくる。
音楽も、なんかクセになる親しみやすさ。