廊下の陽炎(と蝉の声、アパートの赤児の鳴き声)。固定カメラ。
暴力は描かれるが、セックスは描かれない。
演劇と漫画業界のパワハラ。
二つの話が交差する。
この順番で語られるからこそ、ドッと重く、切なく感じられるものがあった。
何なのだろうか、これは…。
決して「暴力批判」なワケでもない。
されど、何かを突きつけてくる。
暴力は、ある。
不条理な事故(?)に巻き込まれることは、ある。
日常を一枚めくれば、どこにでも、誰にでも…。
とはいえ、この映画には愛もある。
ある種、滑稽ですらあるのだが。
いや、唐突に切断されるものとして描かれているところも切ないのだが…。
映画を撮ることへの真摯さを感じ、見応えがあった。