70年代から現在にいたるまであらゆる差別に対しての抗議活動を行っているピーター・タッチェルのドキュメンタリー。ロシアが侵略戦争をしている今、見る。性差別がどこに行き着くのか。
「フレーズを具体的にする」「盗聴されているかもしれないから現地で記者にメモを渡す」など長年培ってきたプロテストの技術が継承されていく様子が収められていて、あまり他のドキュメンタリーでは見たことないなと思った。「過激」と表現されはするけど決してピーター・タッチェルから暴力を振るうことはなく、むしろ殴られて今も障害を負っている。それでも立ち上がり続ける。勝利したのちは次の戦いへ赴く。そういう姿勢が、かつてはタッチェルの批判の対象であり敵であったカトリックの司祭をして「キリストのようだ」と言わせる。行動が結果を生む。