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春原さんのうたのbombsquadsのネタバレレビュー・内容・結末

春原さんのうた(2021年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

20250318 自分用忘備録

自分はハイコンテクストな映画が好きだが、同じハイコンテクストでも、情報量の多いものに強く引き付けられ、そうでないものに対してはさほど魅力を感じないことが多い。

雑で図々しい、すり減ったおじさんなので、あまり細やかなものは向かないのだろう。味蕾の減った舌でご飯を食べるようなものか、濃くてしつこいものがいいのか、気の毒なものだ。

しかしこの映画には惹きつけられた。

丁寧に丹念にあくまでも静かに進んでいく。その人の危機にも悲しみにも、すぐ傍にいても触れることなどできはしない。ただ、感じ取ろうとすることができるだけだ。映画から、そういう他者性をあくまでも尊重したいという意思を感じとった。

図々しい踏み込みや、大雑把な噛み砕きや、分かりやすい共感を許さず、あくまでもただ、そこに内在している世界を描こうとする。

淡々としていて滋味深かった。よく噛んで味わいました。ごちそうさまでした。
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