うりぼう

リバー・ランズ・スルー・イットのうりぼうのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

午前十時の映画祭13

川が主人公の物語。親子も兄弟も友情もいつも見つめて来た、行川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。

ポールは意志の強さを持ちながら、この地を離れず、身も固めず、賭けに溺れ、ただ釣りだけを愛す。家族への愛を信じながら、相容れない孤独に苛まれる。

ノーマンは大学も外に、卒業後、戻るがシカゴ大に、両親の元を離れるが、二人を安心させ、真面目に身を固める。

典型的な兄弟、ただ一度の喧嘩は、ポールのボートで滝下りの決死の冒険に付き合わされた後。母に死ぬほど心配をかけた事への自己嫌悪のノーマン、その怒りを弟にぶつける。仲裁に入る母、転んでしまい、更にヒートアップする二人に母は必死に滑っただけと言い張る。

部族の娘と付き合うポール、白人の店に堂々と入り、二人で見事なステップを披露、周囲に反感の種を撒く。自らを罰するような、遅まきの理由なき反抗。

兄の恋に落ちた宣言に当てつけるようにロロの賭博に堕ち、翌朝には、兄の教授就任を聞かされ、親子での釣りは釣果を先に越される。満足気な父と兄、ポールは一人、糸を流す。入魂の一投は川の主を呼び、みるみる糸を引かれ、急流に流される。慌てる父と兄に水面に浮かんだポール、帽子も脱げす、王者を掲げる。ノーマン、最高の一枚を撮る。

ポール目標としてきた主を仕留め、悔いは無いと言うようにあっけなく撲殺される。最後まで親不孝者で、神は牧師を試す。牧師はその地位を去るまで彼を生かし続けたとノーマンは知る。

その皆が去った後もノーマンは覚束ない手で毛鉤を繋ぎ、糸を投げる。グリーンマイルのポールのように、でも、そこには川があり、自然がある。
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