むらた

アリスとテレスのまぼろし工場のむらたのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

1回目 9月15日 TOHOシネマズ池袋
設定の壮大さからファンタジー恋愛系かと思ったが、+で登場人物の細かな心理描写が中心となった作品でした。

セリフの細かい部分に伏線がはられていて、一言聞き流すと、根拠が曖昧な映画と勘違いされてしまいそうですが、きちんと見ると全て納得のいく映画となっています。
結論が不明な部分も登場人物が推論として話していて、非常に面白いなと…

切ない結末に、中島みゆきさんの主題歌の『心音』心に響きました
この曲は映画に沿って作られた曲なんだなと…歌詞ひとつひとつが「あの場面だ!」と感じれる曲です。CD買わないと…

声優さんの演技も素晴らしく、上田麗奈さんやばいなほんとにって感服しました。全員演技がうまくて、作画も良くて、曲も良くて、ストーリーもよくて、完璧な映画だと思いました。

じっくり話が進んでいくタイプの映画を見ない方には前半退屈に思われるかもしれませんが、あの学生の非日常の中の日常がとても良いんです!わかってほしい……!

素晴らしい映画でした。リピートしたいと思います

追記: 正宗の「好きは嫌いと近い」これがほんとに……うわあああああああ



二周目してきました。パンフレットで上田さんがおっしゃられていた言葉が気になり、睦実視点で映画の旅へ。何度見てもボロ泣き

睦実が背負ってた重圧の重さ。痛みを感じることでやっと生の実感をできたのだなと。
「生きている」五実が近くにいたからこそ、自分がまぼろしだと何度も何度も自覚し、苦しんでたのだと。

明日消えるかもしれないあの世界で、正宗と生きて、正宗を思い出して消えていくのだろう



何回も見ていると最初は気づかなかった細かな描写に気づいてくる

特に気になったのは肝試しのシーンで園部と正宗が一緒に行くことになったシーン。後ろの睦実が「最初のペアな」の台詞の時に不満そうな顔をして反応しているのに気づいた。
この時から好きだったのかな。気になってたのかな

本作を見た後に「なぜ好きになったのか説明がなくてわからない」と言う人もいるが、思春期の恋に理由なんてない が答えだと思う
園部が助手席に乗せてもらって好きだと思ったというシーンで正宗が「好きってそういうのじゃないだろ」と言うのは、そういう明確な理由があるものじゃない と言いたいのではないだろうか



衣装や道具など細かいとこに目を凝らしました
睦実がズル休みした時のバケツの中身、一瞬しか映らないけど雑巾とかチャッカマンとか多分墓参りセットなんですね。お母さんを大切にしてるんだな。知りすぎて抑え込んでるけど普通の女の子なんだなって実感しました




フォロワーさんのレビューでも見受けられたのですが、佐上が睦実のことをお前と呼んでいるのが本当に…小説版ではあの女とすら呼んでいて反吐が出ますね。
でも根拠なしに自分の持論を強行する方っておそらく本当にいるんだろうなあと。特に一種の閉鎖空間の中でああいう状態になるのは「ミスト」でも描写された心理状態の一種なので、本当に恐ろしいなと。

佐上が昭宗の手をぎゅっと握るのが少し嫌でした。いいキャラしてますね

日記の場面は何度見ても涙なしには見られません。そして睦実の回想。母としての想い。
むらた

むらた