夜行列車に乗ったカリート

マッシブ・タレントの夜行列車に乗ったカリートのレビュー・感想・評価

マッシブ・タレント(2022年製作の映画)
3.2
ニコラス・ケイジが架空の俳優「ニコラス・ケイジ」を演じる、若干飛んでるけどちょっと面白い映画。

ニック・ケイジは、その浪費癖と最近の出演作に恵まれない事から、「落ち目の俳優」として燻っていた。そんな中、とある大富豪の誕生日に参加すれば100万ドルというオファーがあり、渋々承諾する事にするが…

ニコラス・ケイジの作品名がバンバン出てくるパロディ映画。ですが主題はずっと映画の話であり、要は「映画って良いものですね…」ということに終始尽きます。

ニコラス・ケイジって良い俳優だと思うんですよ。役の幅も広いし、シリアス~コミカル~シニカル~アイロニカル、結構何でもこなせる役者。
しかし離婚や浪費癖があってお金で苦労し、様々な出演作に首を突っ込んでいます。その結果、「ニコラス・ケイジ = ちょっとしたネタキャラ」というイメージが付いてしまったかと。

そこが親しみやすさを生み出しているのかもしれませんが、本人的にはこれで良いと思ってるんでしょうか…。
本作の出演オファーも3~4回断っているようだし、その辺は少し気になる所。

しかしまぁ本作は楽しめます。親しくなった大富豪ハビ(ペドロ・パスカル)とのやり取りが全てで、あとのスパイごっこは付随物ですね。

二人のやり取りで良いのが、なんと言っても映画の話。…というよりその話しかしてないんだけれども。
「好きな映画3本は何か?」なんて話は、映画好きならずっと話してられるテーマでしょう。パディントン2の件は笑えるし、見ていて朗らかさを感じます。

全体的に、思わず「ニコラス・ケイジの映画で好きなのなんだったけなー」と考えさせられる所があり、それだけ彼のキャリアとキャラクターが、皆に受け入れられている証でしょう。
確かに、「俺の獲物はビンラディン」とか面白いしね…

しかし、こんなに身を売ってるのに興行的には微妙な成績。
ヴァンダムも昔同じようなことやったけど失敗しているし、世間は手厳しいぜ。
「落ちぶれている訳じゃないが」