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戦場のピアニストのzoeのレビュー・感想・評価

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)
4.5
ロマン・ポランスキー監督作品初鑑賞です。同じタイミングでポランスキーの長編デビュー作『水の中のナイフ』をレンタルしていましたが、配信終了が近いということでこちらを先に観ました。

辛くて、観ている間何度も涙が頬をつたった。なるべく目を逸らさずにちゃんと観ようと心がけていたけど、一度だけ思わず目を閉じた。常に誰かの泣き声がしていて、その悲惨さが伝わってくる。どこからともなく聞こえてくる爆撃音や誰かの叫び声で彼以外にも人がいることを確認する。襲撃によって元来の姿を失った壁の内側と外側、その真ん中をたった一人歩く彼の姿はどちらの場面でも絶望的で、寂しい背中を忘れられない。

あそこで息絶えている人は誰かの家族で、誰かの愛する人で、家では誰かが帰りを待っている。自分自身を守るのに、愛する家族を守るのにいっぱいいっぱいで誰かに手を差しのべる余裕がない。人の食べ物を奪い、地面に這いつくばってまで食べ物を口にいれるおじいさんの様子が頭から離れない。

人間は何度同じことを繰り返せば気が済むんでしょう。こんな惨いこと、一度だって起きてはならなかったはず。

最近は戦争ものが続いて、気持ち的に疲れてしまったのでしばらくは戦争もの鑑賞するのお休みしようと思います😌
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