ちゃんしん

戦場のピアニストのちゃんしんのネタバレレビュー・内容・結末

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

期待したほどでも…。

いろいろな映画祭でいろいろな賞を取った作品という概念が先にあり、ちょっと拍子抜けしてしまった感じがある…。

ドイツ軍のポーランド進行と共にユダヤ人迫害を描いた作品として、戦争における理不尽さと人間の脆さや非情さ、戦争というものの意味のなさと悲惨さを描いているとは思うが、主人公の演技に絶望からくる悲壮感や生をひたすら追い求め、動物的本能で生きようとすることで出てくるであろう切迫感が感じられない…。
観ていて、その場にあるはずの臨場感を感じない…。
期待し過ぎた反動で残念感が残ってしまった。

何故だか、そのことよりも、人の生死を分ける儚さこそがこの映画の主張したいことなんじゃないか?って、思えてくる。

「神に感謝したまえ。生きるも死ぬも神の御意志次第だ。」

このセリフが全てなんじゃないか?

ピアニストとして、知人や自分を知っている人がいたから匿って貰えたし、死の列車からも逃れられた。
ユダヤ人として整列させられ、将校の機嫌によって無造作に処刑させられるものに選ばれるかどうかも紙一重である。
ただひたすらに逃げても簡単に撃たれて死ぬものもいる。
安全だと思っていても死ぬことになってしまった人がいる。
どれもこれも主人公が生き延びることが出来たはっきりとした理由はない。
だからこそピアニストとして優秀な彼を神が助けてくれたとも言える。

結局、

「人は神に生かされている、その生を出来るだけ価値あるものにすることが大事なことだ」

って言っているように思う。

映像や心情の描写、ストーリーの展開、どれも今ひとつに感じがしてならない…。
ちょっと期待はずれだった…。
ちゃんしん

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