個人的にホロコーストの惨状を描く映画としてはシンドラーのリストに引けを取らないと感じた。
徐々に人間としての尊厳を奪われ、非道な暴力に襲われる。
特に車椅子の老人が"処分"された場面や、隊列の中からランダムに選ばれて処刑される。悲しいが動機のない死であり最も悲惨な死に方だと思った。
ゲットーでの暮らしにフォーカスが強く当てられており、シュピルマンが逃れた収容所の様子は描かれていないもの印象的であった。
後半の逃走劇は一言で言えばとても心臓に悪い。協力してくれたポーランド人たちは生き延びられたのであろうか。ポーランド人勢力の抵抗にも強くスポットが当たっていたので必見だ。
終盤の廃墟になったワルシャワの光景は思わずため息が漏れた。
そこからの展開はエンドロールでこの物語が実話だと知った時、涙を禁じ得なかった。
必見の名作である。