たけふ

戦場のピアニストのたけふのレビュー・感想・評価

戦場のピアニスト(2002年製作の映画)
4.0
ヒトラーが政権を取ってからユダヤ人迫害が始まる。最初は小さな制限だったが、徐々に居住地制限などの大規模なものに…
主人公のシュピルマンはそんなユダヤ人の1人で、職業はピアニストであった。数々の困難、飢餓を終戦まで乗り越えた人物で、彼の残した手記を基にこの映画が制作されたそうだ。

また、この作品は第二次世界大戦のドイツが舞台であるため、ドイツ軍のユダヤ人への扱いが本当に酷い。人を物であるかのように扱っており、気分が悪くなった。しかし、実際はもっと酷かったのだろうと考えるとなんとも言えない気持ちになる。

ドイツ国民は自国のユダヤ人に対する迫害をどう思っていたのか、というとヒトラーへの支持率を見れば分かる。ほぼ100%であった。これは敵となる物を作ると味方同士の結束が強くなるという心理の利用や、巧みなプロパガンダや演説の影響もあったが…それと残虐すぎる事実(強制収容所での実験等)は教えなかったらしい。

特にユダヤ人は歴史的に見ても非常に賢く育った人種であり、必然的にドイツ人の職を奪ってしまうことがあった。
そういう恨みつらみが重なって国民もそれに賛同したのかもしれない。

そんなヒトラーだが芸術は愛していた。ドイツの音楽家は重宝されていたし、自身の宣伝にも音楽を用いていた。主人公にユダヤの血が流れていなければいい地位に就いていただろう。
たけふ

たけふ