クドゥー

グッバイ、ドン・グリーズ!のクドゥーのレビュー・感想・評価

4.0
『世界の果てのその先で、僕らだけを待っていたもの』

三人の少年たちが山火事の無実を証明するために大自然への旅に出るいしづかあつこ監督作品は、多くの作品がそれを起点とすることで安易な喪失と再生の物語を紡ぐ今の流れに対し、それが起点となるまでを大胆に繊細に切り取った青春映画の傑作。

彼らが目にする世界の果てのように行間をバッサリいく語りに最初は戸惑ってしまったところで、自由を害するクラスメイトに無意味という意味を与えるのは攻めすぎな程でもあるが、迎えるその瞬間までどこか本当のことには思えないという感情が一つの境界線となる。

絶景に命が宿っているようなロケーションカットがこの超作画時代に新たな旋風を巻き起こして、鬼滅の炭治郎と進撃のエレンに挟まれても全部持って行く村瀬歩さんのポテンシャル、あんな驚天動地のラストを見せられてしまっては限界突破するわ。



鑑賞記録
2022.02.18
チネチッタ川崎LIVEZOUNDレーザー
→地を揺らし空を裂いた環境音もとい自然音がIMAXフィルムドキュメンタリー。キャラを魅せることを至上とするアニメにおいて、風景を主役にしまくるカットは作劇以上に攻めてる。どう考えてもいま最も劇場で観るべき作品であることは間違いない。
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