クドゥー

トラペジウムのクドゥーのレビュー・感想・評価

トラペジウム(2024年製作の映画)
4.0
『みんななんて知らない、君と見つけた私だけの光』

アイドルを目指す少女が東西南北の美少女を仲間にして夢を叶えようとする篠原正寛監督作品は、芸能界の闇がこの世のあらゆる事象の中で最もつまらんと思っているこの僕をしても、現役のアイドルにしか描けない筆致に唸ってしまった青春アニメーション映画の傑作。

売れるという現象に徹した前半でアイドルの心構えとかファンの心理といった些事に中指を立て、共通の言語を持たない故の脆さが露呈した後半は一気に凡夫の物語になってしまうが、昔色々あったけど今は仲良くやっとるエンドに帰結してくれるエモさと言ったらない。

アイドルが自己実現ひいては思春期に折り合いをつける道具にされている弱男には厳しい世界で、今後セックスないからリアリティないと煽ってくるおじさんの台頭も容易に予測され、カオスと化しているだろうレビューを漁るのが楽しみな作品は久々でワクワクもんだ。



鑑賞記録
2024.05.10
チネチッタ川崎8LIVEZOUNDレーザー
→アイドルアニメっぽい作品でよくお世話になっているチッタの本気。キャラデザが性癖に刺さっている時点で入場料金の元が取れているが、構図の力でゴリ押ししていくスタイルに妙な味わい深さを感じる。びっくりするぐらい入っていないのでメイン館はお早めに。
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