滝井椎野

グッバイ、ドン・グリーズ!の滝井椎野のレビュー・感想・評価

3.9
『宇宙よりも遠い場所』に続き、恥ずかしくも眩しい青春を堪能できた。
個人的にいしづかあつこさんの描くキャラクターはキラキラしすぎていて、初めはみていて恥ずかしくなってしまうのだが、話が進むに連れてキャラクターに愛着が湧き、ついでにこちらの荒んだ心が浄化されていくのもあり、気付けば最後には純粋に感動し、心の中で応援出来るようになっている。今回のドングリーズ3人も、やはり恥ずかしいセリフのオンパレードで実に良い。
本作、映画一本にまとめている以上仕方のないことではあるのだが、どうしてもキャラの掘り下げや展開を急いでしまっているところがあり、もっと掘り下げが欲しいと思ってしまった。けれど、それが逆にひと夏の冒険感を感じさせるファクターにもなっている為、これで良いとも言えるだろう。そこに若干のスタンド・バイ・ミー味を感じて良かった。
最後、電話ボックスにて今までの点と点が繋がる構成は見事で、まんまと感動させられてしまった。
滝井椎野

滝井椎野