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グッバイ、ドン・グリーズ!のZZZのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

見終わってからすぐに冒頭と電話シーンを見返した。すごくよかった。田舎に生まれた人間の世界の狭さ、長生きできないとわかっている人間の焦りと生きようとする様。はぐれもので、特別な未来もない少年たちのはなし。

アバンでドロップが死ぬんだということは即分かってしまうんだけど、「回想」という形をとることで語り手のロウマがドロップとの出会いを明確にしないまま、「永遠とも思えた3人の夏」を語りだすんだよな・・・そのせいでこっちはちょっとモヤモヤしたまま、2人の世界の中に異質なドロップさんが加わった、彼らの冒険をみとどけることになる。

アイルランドに行ってしまった浦安さんにかけた国際電話のかけまちがいで、アイスランドの赤い電話ボックスにかかり、偶然にドロップがでる。電話先でトトが「お前の15歳の勇姿をみとどけてやる!」ってロウマにむかって叫んでいて、それでドロップは日本にやってきたんだけど、どうやって場所を特定したのかもはっきりわからなかった。

最後に2人がアイスランドに行き、鳴った電話も、結局誰からかわからないまま終わる。

ドロップは亡くなったので人間だとは思うけど、超人的な存在として描かれている。限られた命と知っているからにしても、言動がかなり達観しているし、「世界を見下ろす」というのは神的な発想だなと思う。

これから、ロウマは写真家に、トトは医者になるんだろうなと。ドロップに導かれて。
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