ワクワクドキドキする要素は随所にあるも、ずっと中盤みたいな映画で、肩透かし感があったのは正直なところ。
なぜ警察に命を狙われるのかわからないサスペンス要素と、誰が敵で誰が味方かわからないドキドキ感。
主人公が事情聴取されている部屋の壁にうすーく「ACAB」って彫ってあったりなど、これからの展開を示唆させるような不穏さを醸し出していたり、窓越しのショットの異様な緊張感とか、序盤はぐいぐい来る惹き込まれる。
ただ、これらの要素が事象としての要素でしかなくて、物語に奥行きを感じられなかった。
今作はいわゆる「行って帰ってくるだけ」映画なのだが、本当に行って帰ってくるだけになってしまっている。
導入が素晴らしいだけに残念。