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流浪の月のShoのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
4.5
普段評価がケチなボクがこの点数をつけることで察してくだされば幸いです。

ようやく出ました2022年劇場鑑賞作品NO.1。
心から観て良かったと思えました。

李相日監督個人名義の作品8作品中6作品と、意識せずに意外と観ていることに驚きました。
※今まで観てきた作品の中ではフラガールが1番好き

ストーリーは、(世間的には)元誘拐犯の文(松坂桃李)と元被害女児の更紗(広瀬すず)が再会する現代と、15年前一緒に過ごした過去をそれぞれ見せながら進行します。

過去一緒に過ごした時の数少ない微笑ましい描写
文 更紗それぞれがお互いに思ってきた15年間
理由なんぞ聞く耳持たず、世間からしたら『元児童誘拐犯』
小さなことがきっかけで簡単に『さらされて』しまうSNS時代

150分の長さを一切感じさせない技ありな描写。
その要因は、李双日監督の素晴らしい人物描写 演出もさることながら、やはり松坂桃李 広瀬すずの演技力に圧倒されたことが大きいです。

今作ではさまざまな広瀬すずを見せてくれました。
はじめて見た体当たりシーン
心に何か抱えている繊細な演技
彼女の代表作になったのではと思います。

あとはやはり松坂桃李。
役作りで減量したのかなと思われますが、ガリガリ(ただでさえやせてるのに)
ほぼ無表情な演技(感情を表さないのには理由あり)
(本当にわずかだけ見せる)明るい表情
他はほとんど『目』で演技してます。

文の彼女役、多部ちゃん
更紗の婚約者役、横浜流星

2人ともしっかりキーポイントとなる役柄。

いつものボクなら、『松坂桃李、多部ちゃんに愛されてるんだから、もっとちゃんと向き合えよ😠うらやましい<(`^´)>』なんて言うはずですが、そんなツッコミ忘れて見てました。

横浜流星、なかなか難しい役どころだったと思いますが、見事に演じてます。

この4人全員にそれぞれ共感できる部分があり、気持ちがわかるから辛かったです。
わかる、わかるよ…。誰も悪くないんだよ…(´;ω;`)
※ただ、横浜流星!好きだからってアレはダメ絶対だめ

そして忘れちゃいけないのが、過去の更紗役白鳥玉季ちゃん。
末恐ろしい存在感。

昨今、LGBTQへの理解が高まっていますが、
「自分の都合の良いように見たいようにしか見ない」のをやめて、こういった愛のカタチがあってもいいのではないかと心の底から思えました。

最後に1つ。
「李相日監督、泣けるシーン作りすぎ」

〇過去
ずっといていいと答えるシーン
本を読むシーン
口のケチャップ拭うシーン
手をギュッと繋ぐシーン

〇現代
お店に連れてきて2人で話すシーン
そのあとのセリフ
更紗が心情を吐露するシーン
文が叫ぶシーン
クライマックス

まだまだありましたが、このくらいで。
十分多すぎる笑
ピアノの旋律も相まって、お陰で多数泣きました。

『その時はまた、流れていけばいい』
2人の明るい未来を願わずにはいられない、鑑賞後に色々な感情が生まれる素晴らしい作品でした。

余韻スゴい…。
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