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流浪の月のnanamiのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
4.0
水が印象的な映画。
降り注ぐ雨は更紗たちに降りかかる生きづらさを、
更紗が水の中で叫ぶシーンは、彼女が本音を吐き出せる場所が地上にないことを暗喩しているようだった。

漫画の「ミステリと言う勿れ」で、
『真実は人の数だけある。でも事実は一つ』という台詞があったけど、まさにそんな感じだったな。
"あなたはこうした方がいい"と外野が誘掖することは、必ずしもその人を本当に理解して言っているとは限らないよね。
文の言った"更紗は更紗だけのものだ。誰にも好きにさせちゃいけない"という言葉は、誰よりも彼女のことを想って出たんだと思うし、作中で一番心に響く一言だった。
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