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落下の解剖学のnanamiのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.5
真実が分からないときは、
何を信じるか、どう見たいかを自分で考えることが重要。まさにその通りだなと思った。

人間はロボットではないから、どうしても感情や価値観(バイアス)が混ざってきてしまうし、真実を知りえない者が真偽を判断することは不可能。
証拠をもとに客観的視点で判断しましょう!という裁判でさえも、こんなに主観が飛び交ってしまうんだもの。
だからこそノンバイアスで、周りに流されない思考を養いながら生きていくことが重要なんだよね。

あと多言語環境とセクシャルマイノリティーに対する閉塞感も印象的だった。
複数の言語を交えて話すことってもどかしいし、伝えたい事を正しく伝えられているのか不安に感じただろうな...。
バイだから同性の学生を誘惑したんだろうという偏見が出てくるのも嫌な感じだった。

そして、とにかく本作はザンドラ・ヒュラーの演技が凄かった!
どこか掴みどころのないサンドラが、夫婦喧嘩で激昂するシーンで持っていかれました。
5月公開の関心領域にも出演しているそうなので、観に行くのが楽しみだな。
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