Seiko

流浪の月のSeikoのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
4.0

小説は読んでおらず、映画のみの鑑賞です。

なにかしらの悲しみや苦しさを抱くと、なにかしらに拠り所を求める。これは年齢など関係ないのだろうが、いずれにせよ幼少期の体験がその人間を形成するのに大きな影響を持つことは、少なくともわたしは知っている。

しかし作中の文の葛藤がよくわからなかったので、ネットなどで調べてみて、ようやく理解できました。だとすると、やはり文はロリータコンプレックスではなく...

このストーリーが苦しくも純愛に近いものとなったのは、文による更紗への欲が静かなものだったからで、往々にして性欲対象が生まれるとこうはなりにくい、と思うと、この話は稀有なものかもしれないが、こういった寄り添う思いが友愛になって存在し続けること自体は決して稀有でないのかもしれない。

更紗の想いが、文を優しく包んでくれるといいと思う。
Seiko

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