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流浪の月のluiのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
3.8
★やるせなさに苦しくなる映画★

人は結局自分の都合の良いようにしか物事を判断できなくて、
当事者の気持ちはきっと当事者にしかわからなくて、
他人とは完璧に理解し合うことは出来ないのだということを突きつけられるような話。

俳優さんたちが素晴らしかった…

文を演じる松坂桃李さんは過去のシーンで本当に大学生に見えるし、カフェで働く姿はきちんと歳を重ね重いものをより背負った青年に見えました。儚さと異質感がすごい。

更紗を演じる白鳥玉季さんと広瀬すずさんは、色々な思いを抱えながら強い心を持つ女の子を目で語っていたのが印象的。

そして亮を演じた横浜流星さん。
寡黙で格好良い役が多いイメージでしたが、嫌悪感を抱いてしまうくらい自分本位で、ハラハラするくらい精神的に脆い役柄を見事に表現していました。

これからの人との関わり方や、
報道の見方がほんのちょっと変わりそうな、
胸にズシンとくる作品です。

私は原作の記憶で登場人物のキャラクターをより補完して観られたので、原作を読んだ方の観賞もおすすめです。
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