2020

ARGYLLE/アーガイルの2020のネタバレレビュー・内容・結末

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

いろいろツッコミどころもありますが、トータル、エンターテインメント作として観れば自分は好きな映画でした。
少なくとも、観終わった後でパンフを買うくらいには面白かった。
(パンフレットはサイズ小さいです。)

説明が難しいのですが、ジャッキー映画とインド映画を足して2で割ったものに、ダイハードとかミッションインポッシブルとかのハリウッドアクション映画の粉を溶いてできたタレにフィッシュ&チップスをちゃぽーんと付けて食べるような作品ですかね😂(笑)


ストーリーの設定は非常にナイスアイデアだなと思ったのと、ディスコミュージック好きとしては音楽が良ければもうOKみたいなところもあったりもするので、ノリノリで楽しめる系の作品で好きでした。
ナイル・ロジャースが参加している音楽があったりと非常にアツい!
劇伴が全体的に良かったのでサントラが欲しいなぁと思っています。
ビートルズの新曲が印象的に使われているのも面白かった。
過去に見た作品だと、テイスト的にはベイビードライバー系というか。
音楽好きの人がスカッとする系の作品だと思います。
ベイビードライバー好きな人にはオススメ!
サブスクに入ったら作業用に流しておきたくなる系の作品といいますか。



ただ、脱落ポイントもとても多い作品のような気もします。

主人公…と思われたヘンリー・カヴィル演じるスパイのルックスが絶妙にダサカッコイイのがまず面白くて、このルックスがOKかNGかも作品が好きになるかどうかの判断基準になる部分もあると思います。
とは言え、本当の主人公がわかると出演シーンが減ってきますが。
これも、 ヘンリー・カヴィル目当てで観に行った人はがっかりするポイントかもしれません。


次に単純にストーリー展開が物凄くあり、登場人物の立ち位置もどんどん変わったりするので、誰が正義で誰が悪なのかまだうまく理解できていないところもあったりもするので、そこがスッキリしない人はしないかもしれませんね。
結局、主人公が何故もともと所属していた組織を抜け出したのかが全くわからないので。
おそらく思想の違いだったりするとは思いますが。。。
とはいえ抜け出す前に記憶を失ったのであれば、本心から組織を抜けたかったのかどうかはわからない、、、的な。という風に一回見ただけだと二重スパイだったり色んな展開で進んでいくのでかなり集中して見てないと、よくわからなくなる。
ただ、別にそんな細かい所はどうでもいい映画だったりもするからややこしい!笑
大雑把にはわかるのですが、細かいレベルではよくわからなくなるので、緻密さが好きな人は脱落するでしょう。
サミュエルも”元”CIAという事だし、一体どことどこの国がスパイ戦争をくりひろげているのかがよくわからないのと、ラストの”一流スパイは世界をダマす(的な文章だった記憶)”と書かれた服を着たヘンリー・カヴィルの登場によって、ただのお遊びの落ちとして登場したのかなと思ったけど、本当は元スパイだった小説家が自分の潜在意識に残る記憶から小説を生み出していたという事ではなくて、実際にアーガイルのモデルがいて、その活躍を知っててその要素も入れて書いていた、、、ということを示唆しているようにも見えたので、今度は彼との物語が続編で出るのかな…とも思ったり。
要はエンドロールの途中で出てきたキングスマンというバーで銃を受け取っていた若者があのラストの襟足の長いヘンリー・カヴィルになっていくという事なのかなと…。
そうなるとこの本編って一体何を見せられていたの?となる、、、という具合に、設定の軸足が本当によくわからない!www


単純に物語として、ホテルのスイートで家族と会った時に、まさかのスパイファミリーだった!的な驚きとかは面白かったし、小説家がスパイだったという驚きも、あえてぽっちゃり体型だったり飛行機が苦手だったりと普通の女性として見せて進んでいくことによってギャップを出し、なるほど!と思わせてくれたりする所とかは仕掛けが満載の作品だったなとは感じましたね。


他にも細かい所で言えば、例えばハッカーの家が大爆破されたのに、まぁまぁ軽度の衝撃で済んだようなゆるいリフォームで済んでいる所だったり、
主人公が病院で催眠されている様子を覗けることだったり(あんなこれみよがしにカーテンも閉めずに窓全開にするかね?あえて見せていた?てか居場所わかったんなら助ければいいのに…とか。)、ちょこちょこよく考えたらあそこ成立してなくない?とか、もっとうまいやり方あったんじゃない?とか、あのシーンの本当の意味はもしかして、、、となるような、つめの甘さというか、ゆるさ、想像の余白の多くある作品ではあったので、そういうところで離脱する人もいるかもしれない。
(イギリスからフランスにぶっ通しで車で移動したのは、あれは要はドーバー海峡を船で車ごと横断したってことで合ってます?
他にも移動はかなりはしょられていて、テンポが出るから構成や演出としては全然OKだけどちょっと気になりましたね。)


映像的にも、冒頭のバイクを車で追いかけるシーンもCG感がありありだったので、CGにうるさい人はあそこで醒めて脱落するかもしれない。
自分は好きでしたが、香港での花火のシーンも。
作家が物語を書きながら、いやちがうな…と修正していくシーン。
背景の映像がだんだんと変わっていって、最終的にマトリックスのような何もない空間になったり…という流れを表現する演出が、僕は面白いアイデアだなと思いましたが、あれも要はCGででしか表現できない映像演出だと思うので、これも好き嫌いが分かれるのかもしれませんね。
(でも、あのシーン、台本とか文章で表現しようと思っても全然でき無さそうというか、どうやってスタッフに説明したり台本に書かれていたのか気になる。お金をかけて作られる映画ならではのシーンだと個人的には思いました。)


あとは予告で猫ちゃんかわいいなと思って見に行った部分もあるのですが、猫に対しての扱いが結構ひどくて、かなりえっ?と思ってしまいましたね。猫好きの人にとってはかなり胸糞映画になりうるかも。
ビルの上から猫を落とすシーンもひどかったけど、その猫が落ちたところに人間が2人飛び降りるっていうのも、ギャグシーンにしようとするムードは感じさせてはいたけど危なすぎで笑えなかった。
監督のペットをそのまま使っているらしいけど、本当に愛猫家なのかと心配になった…。
いや、猫の色んなシーンに当然CGバリバリ使ってるんですけど(それも冷める人は冷めるかも)、CG使ってまでそんなイジメする必要あるかね?というようなシーンというか。ちょっと笑えなかったなー。
最後まで死んでは無い分いいのかもしれないけど、不適切にもほどがある猫の使い方かもしれませんね。

とはいえ、多分、頭カラッポにして事前知識無く楽しんでほしいという意気込みはすごく感じるし、そう見るべきだし、チャレンジングな娯楽作品であるのは間違いないんですよ。

そういった思いからだと思うのですが、予告編でもあんまり内容がよくわからない感じのあまり説明されていない予告ムービーだったと思うし、結果としてポスターもミスリードさせる並びだったりと、いい意味でお客さんをだまして楽しませようという意気込みの感じられる作品ではあったので。

広く言えばコメディの作品にはなるんだけど、明確にそうだとは言ってないし、コメディの要素が多いか?と言われればむしろシリアスなシーンの方が多いので、「ここ笑っていいの?」となるような部分があり、猫のシーンはその最たるところかもしれませんね。
逃げてるといえば逃げてるけど、配慮といえば配慮されてるというか。

ただ、ラストの方の、ダンスをしながら戦うシーンとか、スケートしながら戦うシーンはコメディだったと思うし、ジャッキー映画のムードを自分の引き出しの中では感じる作風で好きでした。
自分の中ではアクションコメディという落とし所になってます。
(もしかしたら何にも気負わず少林サッカーぐらいの作品だと思って見に行った方がいいかもしれませんね。)


あと、良かったところはデュアリパが好きなので彼女のシーンは美しくカッコよかった。
(もはやカメオのような出演尺でしたが…笑)


私のように、もう一切の事前情報を入れず、アーガイル柄がおしゃれだなとか猫ちゃんかわいいなぐらいのジャケ買いのような、ノリで観るのが一番楽しめる作品なのかなと感じました。
(エンドロールを見て、ハリポタなどのデザインをしているミナリマが入っているのはおっ!となった。インスタを見てみると劇中に登場したアーガイルの小説のプロップデザインで入っている様子です。)

あと、自分はキングスマンをまだどれも見たことが無いので、見てみたいなと思いました。

Appleが制作している映画なので多分、Appleのサブスクでしか無料では配信されないと思うので、その他サブスクでは今後無料では見られないかも。
そういう意味では大画面と相性ばっちりなので今のうちに是非劇場で見てもらいたいですね。


後で書く。
2020

2020