千年女優

ミラベルと魔法だらけの家の千年女優のレビュー・感想・評価

ミラベルと魔法だらけの家(2021年製作の映画)
4.0
コロンビアの奥地に住む各々に異なる不思議な魔法の力を持つマドリガル家の中でただ一人「ギフト」を授からなかった15歳の少女ミラベル。予言能力を持つ叔父のブルーノが失踪した事もあって祖母アルマらの接し方もどこかぎこちない中で明るく振る舞う彼女が、魔法の力が失われる一家の危機に気付き奮闘する様を描いたアニメ映画です。

『ズートピア』で共同監督を務めたバイロン・ハワードとジャレド・ブッシュによる、『白雪姫』から60作目となるディズニーの長編アニメで、ピクサーでは『リメンバー・ミー』での実績はあるもののディズニーでは新たな試みとなるラテン系の一家を主人公にして、英語(吹替では日本語)とスペイン語での多言語ミュージカル劇を演出します。

自己実現戦争の現代に才能がないという残酷を描く『ソウルフルワールド』に似た主題を扱っていて「それでも繋ぎとめたい人との関係があるならそれこそがギフト」とする物語はキレイゴトであっても美しく、やや舞台を活かし切れてない所はありますが、中南米らしい色彩豊かな装飾と浮き立つラテン音楽で重い主題を溌剌と彩る一作です。
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