爆裂BOX

BANSHEE バンシーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

BANSHEE バンシー(2008年製作の映画)
3.0
キャンプに来た若者達が奇怪な怪物バンシーに襲われる…というストーリー。
作品登録ありがとうございます。「エイリアン・バトルロワイアル」のコリン・ゼイズ監督によるモンスター・ホラーです。
バンシーとはアイルランドの伝説に登場する妖精のような存在で人の死期を泣き叫んで知らせる存在ですが、本作では何故かアメリカの田舎に現れて、人を殺しまくります。作中でも「バンシーはアイルランドの妖精だろ」と言われてますが、何故アメリカにいるのかの説明はありません。容姿も女性ではなく蝙蝠の様な化け物で「何処がバンシー?」という感じです。バンシーである必要性は感じられませんでしたね。
このバンシーですが、中々多彩な能力の持ち主で、人間に擬態したり、壊れたテントを元通りに見せたりと相手の認識を操作する能力が面白かったです。また、飛行能力や杭投げ、頭を破裂させる音波攻撃等も持っていて、低周波の音に弱いという弱点を持っています。芋虫みたいな子供もいい感じのキモさでした。
このようにバンシーの設定は詳細に決まっていますが、その他はかなりいい加減です。まず、若者達が何故田舎にキャンプに来たのかも説明されませんし、主人公達の人間関係も良く分りません。というか、キャラの描き方が浅いので最初誰が主人公か分らず感情移入できません。黒人レイクはさっき怪物に襲われて仲間が殺されたのに平気で冗談言って笑ったりしてある意味凄い奴だと思いました。「アイツ残らず食われたぜ」とか笑いながら言う所とかサイコパスすぎる。こいつが殺された時は主人公達特に悲しむリアクションしなかったのがウケました。まあ、しゃーない。
冒頭からバンシーがキャラを殺しまくるので最初はテンポがイイですが、中盤の籠城した家でのドラマは上記のようにキャラに感情移入できないのでダラダラ感じられました。別場所での警官のやり取りも挟まれるけど、合流したと思ったら速攻で殺されるし。
グロシーンは頭もぎ取り、内臓えぐり出し、頭部破裂など気合入ってます。
後半のギターとアンプを使ってのバンシーとの戦いはバカバカしいけどアツくて良かったです。ギターかき鳴らすロッカーがカッコよかったですね。もう、最後の方戦いというよりライブのノリになってるし(笑)
最後の戦いが省略された感じになってたのは残念ですね。いきなりダイジェスト風になったけど、監督が面倒臭くなったのかな?
最後はPOVになってましたが、元ネタはよく心霊映像特集とかで出るヒッチハイクしていた女幽霊を乗せちゃうアレかな?
まあ、モンスター映画が好きでモンスターが暴れ回るだけで充分だ!って人は楽しめるんじゃないかと思います。