ノラネコの呑んで観るシネマ

クラユカバ 序章のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

クラユカバ 序章(2021年製作の映画)
4.0
表題作はじめ、独特の作風と世界観で知られる短編アニメーション作家の塚原重義の上映会。
「端ノ向フ」「ウシガエル」「押絵ト旅スル男」「女生徒」の四作品プラス、表題作のメイキングと15分の序章の構成。
あくまで序章なんで、これだけでどうこう言えるものではない。
ただ作者の特徴でもある大正、昭和初期あたりをモチーフにした世界観は魅力的で、講談師や活弁師を声優に起用することで生まれる独特の話し言葉も面白い。
ぜひ40分のフルバージョンで鑑賞したい作品だ。
過去の四作品も、どれもクオリティが非常に高い。
表題作と世界観が重なる「端ノ向フ」。
一番古いのはインディーズアニメフェスタ受賞作「ウシガエル」で、活劇の面白さに満ちている。
太宰治原作の朗読劇の「女生徒」は、繊細なタッチで心の機微を描く。
一番好みは怪奇ロマン全開、乱歩原作の「押絵ト旅スル男」だな。
「クラユカバ」自体は、まだ評価することが出来ないので、星は過去四作品に対して。