ノラネコの呑んで観るシネマ

クラメルカガリのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

クラメルカガリ(2024年製作の映画)
4.1
世界観を「クラユカバ」とシェアする、塚原重義のもう一本。
こちらはハコ庭と呼ばれる坑道の街で、無限に広がる地下世界の地図を作って売る、地図屋の少女が主人公。
「クラユカバ」と違って主人公が巻き込まれ形で葛藤を持ってないので、序盤はあまり話が進まない。
巻き起こる事件も街を仕切る大人たちの抗争で、主人公はさほど関わらないし。
ただ街を出て行きたい同業者の少年との仄かな恋の葛藤は分かりやすく、宮﨑駿が好きそうな自立行動型のAI戦車とか、和風スチームパンクなメカも相変わらず凝っていて楽しい。
「ラピュタ」の鉱山に「千と千尋」の湯屋街を組み合わせたような、複雑なプロダクションデザインはそれだけでも見応えがある。
ここまで世界観を作っていると、あとはその中でいくらでも遊べるので強いな。
キャラデザも可愛いし、こちらも続編を期待。