ノラネコの呑んで観るシネマ

クラユカバのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

クラユカバ(2023年製作の映画)
4.3
アニメーション作家の塚原重義のオリジナル作品。
3年前にパイロット版を観て楽しみにしていたが、本編がついに完成。
主人公の探偵が、集団失踪事件の謎を追いかける。
物語というよりも世界観を楽しむ映画で、和風スチームパンクなもう一つの昭和初期は実に魅力的。
怪しげな登場人物たちが蠢く、徹底的に作り込まれた地下迷宮で、装甲列車や歩行戦車といった厨二魂震えるメカが激突するアクション活劇。
肝心の失踪事件の方はよく分からない方向に行ってしまったが、凝った世界観と丁寧なアニメーション表現だけで飽きさせない。
とりあえず、これは一巻の終わりで続きあるよね?
作者の過去の自主映画シリーズとも共通の世界観だから、いくらでもバリエーションは作れそう。
消えた人たちの謎はいつか解き明かして欲しい。