深獣九

真・事故物件 本当に怖い住民たちの深獣九のレビュー・感想・評価

4.0
「怪異+ヒトコワ+スプラッター+タランティーノ」
Jホラーのテロリスト佐々木勝己監督によるエクストリームホラー爆誕!

噂には聞いていたが、それに違わぬぶっ飛んだホラーだった。事故物件、カルト教団、心霊現象、YouTuberなどJホラーの要素が満載で、滑り出しはほんこわの雰囲気が漂う苦手系。背を反らせて目を細めながら観ていた。いや本当に怖かったし。
ブーストがかかった後半からは血と暴力の宝石箱。手に汗握り前のめりで楽しんだ。
ラストは「佐々木監督やりおったわ!」と拍手喝采。正直わけわからんけど笑、大満足だった。

本作はひとことで言えば「怪異+ヒトコワ+スプラッター+タランティーノ」のごった煮。鑑賞後はお腹いっぱいで胸焼けするが、もっともっと食わせろ、腹が破裂するまで食わせてくれ! と中毒必至。胃薬を飲みながら観続けたい。

このところアジアにおいても台湾や韓国、タイに押され気味なJホラー。こういうやんちゃな作品を作る佐々木監督の想いと手腕はとても貴重。もっとガンガンやってほしいと心より願う。続編も公開を控えている。また楽しませてもらえそうだ。期待しかない。

というわけで、ここからはネタバレありの見どころ紹介。












・主演女優たちが新人? なのであまりイケてない。そこがいい。
・拡散された動画のノイズ映像本当に怖いからやめて(褒め言葉)。
・木更津ってヤバい奴しかいないんだな、と本気で思ってしまう。
・冒頭ももせとひのぐちのやり取りが回収されないのいい笑
・真っ昼間の心霊現象はやはり怖い
・なんか出そうで出ないほうがイヤ。怖い
・ふたりの会話でワンカメ振る感じが動画配信っぽくていい
・口から内臓引きずり出すの佐々木監督っぽくていい
・そしてじいちゃんの仕事が丁寧
・『屋敷女』はやっぱ影響力強いなあとあらためて思わせる
・血で生きながらえるじいちゃんは『六壁坂』のオマージュか


というわけです。投げっぱなしの要素も多いけど、こういう映画はとやかく言っちゃ野暮ってもの。佐々木監督とスタッフの情熱に身を任せ灼き尽くされればいいのだ。
深獣九

深獣九