おーもり

私ときどきレッサーパンダのおーもりのレビュー・感想・評価

私ときどきレッサーパンダ(2022年製作の映画)
4.0
もう面白すぎて笑っちゃうほど泣いちゃった。
なりたい自分になれない主人公は、ディズニーからするともう古い。
既に自分らしく生き始めていた少女を主人公に据えて、そこから更に次のステージへ進む後押しをやさしくサポートしてくれる。
もうずーっとヘイトを稼いでいた母親に対してのフォローも抜け目ない。
見ている間、ずっとはやくぶっとばせと思っていてスミマセンでした。母親との対決も、満を持してあんな形できっちりやり切ってくれるとは嬉しい。

五条先生も言っている様に、愛ほど歪んだ呪いはない。呪いとも思える家族との絆。
愛しているから故に、愛情を注ぐ側は行き過ぎてしまうし、受ける側もどんなに赤っ恥かかされても無下にできない。
史上考えられ得る限りの最大の恥かしい思いをさせられるメイちゃん。
感情の爆発をなんとか自制しているのに、加えてずんぐりモフモフで臭いレッサーパンダに。
思春期のもうめちゃくちゃな私生活を何とか生き延びる為の唯一の救いは何か。
それは推しと、それを分かち合える仲間達。
子供の頃からの夢があーだこーだとか、世界を救うなんちゃらかんちゃらは一切無い。
今目の前に居る大好きな何かの為に、駆けずり回るってめっちゃステキで勇気が出てくるじゃんか。

このドタバタに決着をつけるのに、どっちか一方の押し付けはふさわしくない。
これまでもこれからも全部が手を取り合って混ざり合い、新しい方法をみつけて共に解決する。
笑えて泣けて、王道で斬新で、現代的でファンタジーかと思えば変身ヒーローで特撮で。
もうサービス満点で嬉しいよ。

同じくDisney+でみれる、本作のメイキングもめっちゃおもしろい。
抜擢された才能ある女性陣が指揮を取り、このコロナ禍で試行錯誤、それぞれの人生と今の生活を反映してモノづくりしている。
自分も観てきた作品を同じ様に好きで、日本のアニメにハマったオタク達が監督になり、おもろい作品を産み出す時代が来ている。
未来のエンタメはまだまだ光に溢れてると感じさせてくれる。感謝しかない。