このレビューはネタバレを含みます
ガリレオシリーズ劇場版第3弾です。
TVドラマ版が科学的アプローチの事件がメインの反面、劇場版は主にヒューマンドラマメインのミステリーが描かれます。
率直な感想ですが、オチは良かったが、過程が物足りない映画でした。
トリックや真相も練り込み不足で映画にする程か？と感じてしまいます。
原作を読んでないのでどこまで忠実なのか分かりませんが、
キャラクターの背景がラストを描く為だけの添え物になっている部分は非常に残念でした。
被害者の沙織が実は歌を辞めたがってた事も中盤当たりで察しが付くし、
新村留美がいくら動揺していたとは言え、すぐに救急車を呼ばないのも不自然ですし、映画スタッフが描きたいであろう善良な市民とはとても呼べないキャラクターで感情移入もしづらいです。
容疑者X以降、ドラマを意識しすぎてトリックがおざなりになっている様に感じます。
まあ、容疑者X並みのシナリオを毎回出せと言われても無理だと思いますので、そこまで高いハードルは求めません。
だからこそ映像美に力を入れて欲しかった。
真夏は沈黙より地味な話で映画にまったく向いてないシナリオですが、
それを補える程の映像美や印象的なシーンが数多くありました。
今回の沈黙はその映像美すら無くなってしまったと感じます。
これ以降もガリレオシリーズを続ける気があるのかは分かりませんが、
もし続けるなら映画として作り込んで欲しいと思います。
TVドラマのスペシャルで終わるか、映画として飛躍するかは
スタッフの力量次第だと思います。
