人質 韓国トップスター誘拐事件のBCのネタバレレビュー・内容・結末

ファン・ジョンミンがファン・ジョンミンを演じるフェイクドキュメンタリー風の作品。
ではあるけど、暴力描写は容赦しない、人間の醜い感情も台詞で前面にさらけ出す
いかにもな韓国ノワール映画。

韓国映画界の大御所俳優を主人公にしてしかもご本人が演じているので
さすがに悲惨な結末には出来ないし、ハッピーエンドに着地するだろうとは思っていたから
想定内のクライマックスだったけど、あともう少し意表ついてほしかった気もする。
だけど、2年後を加える程度が捻り効かせられる精一杯なんだろうな。

俳優役ならではのどこまでがリアルでどこまでが演技なのかわからない描写はサラッとあったけど、
その描写にあまり緊張感がなかったのはやや残念。

スターがスターを演じるとスター性を全面的に出してしまい、それが鼻についてしまいがちだけど、
ファン・ジョンミンはスター性を押し出すことはせず、スターであっても時に優しさもズルさもある。
強くも弱くも一人の普通の人間なんだというスタンスで演じていたのが良かった。
市井の人がスター俳優になってその人が事件に遭ってしまったという説得力があったな。

もう一人の人質である若い女性カフェ店員役の女優さんの状況の深刻さがビビッドに伝わる繊細を極めた演技も良かった。