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13デイズのmocoのレビュー・感想・評価

13デイズ(2000年製作の映画)
3.0
核爆発の映像のオープニング、米ソ第三次世界大戦になるかもしれない緊迫の13日が始まる。
(2000年制作、22年前でこういう映像はもう作れるんだね…)

そりゃケネディ大統領をはじめ、当事者は生きた心地しなかったと思うよ、一歩間違えればいきなりとどめを刺す程の大惨事になれかねなかったんだから。

繰り返されるホワイトハウスでの議論、憶測、駆け引き、重なる不運…

史実だし仕方ないとは思うのだけども、あれもこれもと詰め込んだ13日間に感じてしまったかな。
もっと殺気立ったのでは?と思うんだけども、割と冷静だし。(怒鳴り合ってたらもっと見れないかw)
結局あれは、不運だったのか、けしかけてきていただけだったのか、分からないまま終わってしまったのもイマイチハマりきれなかった理由かな。もちろん私の勉強不足も大いにあるとは思うけれども。
それに、陸軍、海軍、空軍のヘッドの描き方も気になる。

でも、ケネディ兄弟とケビン・コスナー/ケニー・オドネル大統領特別補佐官の学生時代から支え合った3人の助け合いや気遣う姿は良かった。ケネディ大統領だけが孤立した映画では見てられない。3人揃ったからこそ冷静に対応出来たんだなと思う。ジャケットにもある通りですね。



今度はソ連側から、キューバ視点も見てみたい。




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自分のお勉強

アメリカの大統領がキューバを訪問は2回、1928年のクーリッジ大統領と2016年のオバマ大統領のみ。(88年ぶり)

キューバは本州の半分程度。アメリカのフロリダ半島とは150キロほどしか離れていない。公用語はスペイン語で、全住民の約60%がスペイン系白人と黒人が混血した「ムラトー」と言われている。

1492年にクリストファー・コロンブスが「発見」して以降、スペインの植民地となった。苛酷な強制労働とスペイン人が持ち込んだ未体験の病気のために、先住民は急激に人口を減らし、労働力としてアフリカから黒人奴隷が導入された。

植民地生まれのスペイン系白人「クリオーリョ」たちは、19世紀になるとスペインに対して独立運動を展開した。1898年の米西戦争でスペインがアメリカに敗北したことで、キューバは1902年にスペインから悲願の独立を達成したが、それはアメリカの保護国としてだった。キューバ南東部にあるグアンタナモは、現在に至るまでアメリカ海軍の基地として租借されることになった。

莫大なアメリカ資本の投下によって鉄道と道路が建設され、キューバ経済の中心であったサトウキビの生産が拡大し、砂糖のモノカルチャーでアメリカ市場に依存した経済構造ができあがった。同時にアメリカ資本と結び付いた一部勢力が富を独占する、貧富の格差の大きい社会となっていた。

第二次大戦後の1952年に軍事クーデターによって政権に復帰したフルヘンシオ・バティスタは、これまでの政権同様に親米政策をとり、アメリカからの援助をうけつつ独裁体制の強化を図っていた。

これに対してフィデル・カストロとラウル・カストロの兄弟や、アルゼンチン生まれの医者チェ・ゲバラらが中心になって武装闘争を起こした。1959年1月1日にバチスタ政権を打倒した。これが、キューバ革命だ。

フィデル・カストロ首相も当初は、訪米してニクソン副大統領と会談するなど、アメリカと友好的な関係を求めていた。しかし、農地改革の過程でキューバの大半を占めていたアメリカ系企業の土地を接収したため激しく対立。アメリカはキューバの主要産業である砂糖の輸入を停止し、キューバはアメリカ系企業の国有化で対抗した。

当時は米ソ冷戦のさなかだったため、キューバを取り込もうとしたソ連は砂糖の買い付けなど経済協力を申し出た。キューバが急速にソ連に接近したため、アメリカは1961年にキューバとの国交断絶を通告。アメリカが支援する反革命部隊が武力侵攻するピッグス湾事件が起きた。

フィデル・カストロは社会主義革命を宣言し、キューバは共産党による一党独裁体制となった。こうしてキューバは、ソ連を中核とする社会主義陣営の一員となった。

こうした緊張関係の中で起きた事件が「キューバ危機」だ。アメリカとソ連の両国が対決寸前にまでいき、核戦争の瀬戸際となった。

キューバに攻撃用ミサイルが設置されているのを確認したアメリカのケネディ大統領は、1962年10月22日、ソ連に対して、ミサイルがさらに搬入されるのを阻止するためキューバを海上封鎖することを通知するとともに、ただちにキューバのミサイルを撤去することを要求した。

ソ連はこの要求を拒否・キューバも海上封鎖は「主権に対する侵害」だとして非難した。こうして10月24日、アメリカによるキューバの海上封鎖が開始され、米ソは衝突寸前にまでいった。

しかしソ連のフルシチョフ首相からの申入れで交渉が行われ、アメリカがキューバへ侵攻しないことを条件に、ソ連がミサイルを撤去することに同意したため、この危機は回避された。
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