1905年9月1日
フランスで起きた少年による猟奇殺人事件。
映画は実際に精神鑑定を行った医師の記録と、その医師に促されて少年が綴った回顧録をそのまま使用し、
また考察や過度な演出を行わず、淡々と綴る。
それゆえに目を背けたくなるシーンが含まれ、非常に重たい作品。
貧しい農家の生まれながら、学問が出来たことから地主の施しで神学校に進学するも、歪んだ異常性癖はエスカレートするばかり…ということも淡々と語られる。
主人公を演じた方はかなり辛かったのではないか。
犯人に寄り添わず、事件に寄り添わず、見せ物にしない。
感傷さえも持ち込まない。初長編映画でこんな作品が撮れるとは。
上映後三宅唱監督トーク付き。
顔の撮り方含め、顔の映画とのこと。
そして、映画はすべてがまはわからなくても良い。
#映画批評月刊 vol.4