しんや

猿の惑星:創世記(ジェネシス)のしんやのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

猿の惑星へと至るその始祖シーザーの最初に発した言葉は「NO」であった。この言葉は腐敗した人間社会への拒絶であり、人間性を失った人間への拒絶であろう。最初に言葉ありき。言葉を遣うことを覚えた猿は、人間に代わりこの世界への支配者となるべく自由を手に入れた。シーザーのカリスマは、かつて神が最初の人間を作ったアダムであり、日本に於いては神武天皇であろうか。奇しくも、猿を進化させた原因は、人間が破滅に追い込まれる要因になるようだ。 旧作品との関係はどうなっていくかは不明だが、旧作品に敬意を払い丁寧に作られた脚本には脱帽だ。またシーザー役のアンディ・サーキスの演技は、猿が人間を越えていく様を演じ切った。 旧作を知らなくても楽しめる、人間社会に警鐘を鳴らす傑作である。
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