あさり

上海陸戦隊のあさりのレビュー・感想・評価

上海陸戦隊(1939年製作の映画)
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プロパガンダ映画。
非常に質が良かった。中隊長の整った顔のショット(同じものではない)が要所要所で挿入されている。ものすごくいい人。国民党軍の突撃ファンファーレが反復されていて怖かった。北京語ではなく上海語なのがいい。
刈間文俊から聞いたことだけど、軍人役で出てるのがエキストラではなく本物の帝国軍人で、確かに肉の乗りと身のこなしが違った。戦死者→新生児→精気みなぎる壮年という切り替えが衝撃的だった。

映画史は戦前戦後で切り離せるものではなく、国籍で切り離せるものでもなく、例えば満映のスタッフが現地に残り共産党の映画を撮ったことに象徴されるような連続なのである。こういう映画を観るのは、冷静に分析できるようになった時代にこそ可能だ。
あさり

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