deenity

ブレードランナー ファイナル・カットのdeenityのレビュー・感想・評価

3.0
今年続編として新作が公開されますね。俳優にハリソン・フォードやライアン・ゴズリングはもちろん、リドリー・スコットにドゥニ・ヴィルヌーヴと豪華な製作陣が構えるのは魅力的で、当然見に行く予定です。ただ、この作品の良さ、いまいちよくわからないんですよねー(笑)「SF映画の金字塔」とも評されてますし、すごいことはわかってますが、実際ちょっと難解すぎなんですよ。だから映画にハマり始めた一年目にこの作品に出会ったまではいいんですけど、ちょっとハードル高すぎでしたね。意味もしっかり読み取れず、結局今に至るわけです。

そして二回目、ちゃんと受け止めてからレビューしようと思ったんですけどね、やっぱり難しいです。近未来的世界観は今でも確かに新鮮で、『AKIRA』をふと思い出すような風景が革新的だったのはわかります。
また、レプリカントと人間の対峙により、人間らしさや敵に関する同情というのも構図として引き立てられます。人は自分がいつ死ぬかなど知り得ない。しかし、もしそれを知ったとしたら、人はどうするだろう。人そっくりのレプリカントがそれを象徴し、死を迎えていく上での心中変化というのがテーマとして深いのもわかります。つまり、SFヒューマンドラマとも言えるしっとりとした作風が魅力であることもわかります。

しかし、どうしてこうも婉曲的なんだろう。そこがどうしても難解にさせ、味わい深さを生んでいるのかもしれないが、同時にコアなファン以外を寄せ付けない高尚さもある。悲しいかな、私はそこまで深く考察して楽しむことができるほど本作にはハマれなかったので、リドリー&ヴィルヌーヴの手がけるそれすらもやや懸念要素は残るかな。
deenity

deenity