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最後の決闘裁判のJOWのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
4.0
「エイリアン」のリドリー・スコット監督が描く、「真実と命を賭けた実話」。
3人の異なる真実が一人ずつ映し出されるが、結局のところ、誰が真実を話しているのかは「100%」ではない。
「99%」真実だと思われるが、残りの1%は「真実」なのかどうか疑うものがある。
作品自体に込められた想いは
「真実」を追求するというよりも、どれだけ醜く愚かなのか。
「嘘と真実」よりも、それを作り出すことで自分を大事にしようとする愚かさ。
自分だけでも、い続けようとする醜さ。
主人公は、子供のできない妻に苛立ち
妻は、旦那のやり方に不満を持ち
主人公の親友は、友の妻に欲情し強姦
この感じだと、妻が一番可哀想な位置に思えるが、はたしてこの二人に挟まれた彼女は
本当に「可哀想な人」なのか。
彼女の心の中には、どちらの人間も存在していないのかもしれない。
「生き続ける」ために、命を賭けて真実を作り出したのかもしれない。

「人は誰しも自分が生き残るために何かを犠牲にする。それがたとえ己の魂だとしても。」
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