ユート

カード・カウンターのユートのレビュー・感想・評価

カード・カウンター(2021年製作の映画)
3.5
ポール・シュレイダーが関わる作品を観るのは初めて。色々レビューを拝見すると、同監督は“復讐と贖罪”をテーマにすることが多いらしく、本作も例外ではない。

ギャンブル×ロマンス×復讐劇といった感じだが、どの要素もそこまで作り込まれていない印象。だって、ポール・シュレイダーのテーマは“復讐と贖罪”だから!だって、そういう作家だから!このあたりが事前にわかっているか否かで本作の評価は変わりそう。

そんなハリボテ感があるのに嫌いじゃないし、比較的地味な作品だが、つい観てしまう不思議な魅力がある。

まず、主演のオスカー・アイザック。渋カッコ良すぎる‥。ほとんど表情が変わらないのに、目と声色で訴えてくる感じが見事。スターウォーズシリーズの“ポー・ダメロン”とは全く異なる役がとても良かった。

また、脇を固めたタイ・シェリダンとティファニー・ハディッシュも良き。特にラ・リンダの役柄も好きだし、後者のハスキーな声がキャラクターに合っていたように思う。

その他オスカー・アイザック演じるウィリアムの回想のようなシーンをまさに地獄絵図のように撮ったカット。ほんとに気味が悪く強く印象に残った。

あまり目立たない作品だけど、見どころはきちんとあるので機会があればぜひ。
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