渋映画。良かった。
カードカウンターっていうからにはカジノのカードゲームを題材にしたバトルものかと思ったけど、どうも違う。
オープニングが70年代ホラー的な感じで、その後の音楽などもそれを感じさせる雰囲気があって独特な不穏さが漂っている。
主人公は精神に偏執的な部分があり、それが垣間見られるモーテルでの過ごし方は、おかしな様子と同時に画面がスタイリッシュで引き込まれた。
オスカーアイザックはMCUムーンナイトでも精神的に病んでいて闇を感じる役だったが、本作でも良い演技。特に終盤のモーテルでの相棒を追い詰める場面。
ハードな背景が紐解かれていくと同時に、主人公と対決していくギャンブルの相手はすごく変なキャラクターだったりしてオフビート的な笑いもある。
刑務所内のあの映像は凄い。本当に文字通りクラクラする映像。
一方でヒロインとのやり取りを含めて美しい、ライトアップの光景。
境遇に同情して連れていくことにした相棒は、どこかで見たことあるなと思ったらレディプレイヤー1の彼か。キッズみがありつつもどこかスレた感じも出ていて雰囲気が良かった。
その彼が迎える結末は、一度上がってからの落差で、ひどく悲しい。
主人公も悲しい結果になってしまったが、しかしそれでもラストシーンには、長いキスを交わすような愛情を感じて、グッときた。
他人を許すことは自分を許すことと同じだ。
他人の罪を許すことで自分の罪を許したい。