このレビューはネタバレを含みます
filmarksさんの試写会にて!
事前情報とあらすじを見て、
こういう映画なのかなぁと思って挑んだら、
「は?誰がそんなこと言った?」
と監督に言われて顔面ぶん殴られたかのような冒頭5分の映像で気を失いました。
観終わった後、必ず「え?」となる映画です。
そこで終わるのではなく、きちんと考察していけば段々と面白さに気づいて、この映画の出来の良さに感服します。
例えば、登場人物の設定。
この映画は極端に台詞が少ないです。
にも関わらず、少ないセリフの節々、登場人物の所作、前後の流れを無視して唐突に流れるシーン、これらから登場人物の過去を窺い知ることが出来ます。
また、台詞が少ない為、映像に集中しやすく深い没入感を得られます。
本作のテーマの1つとして挙がるのが「宗教」かと思います。
この家族はなにか特定の宗教に固執している訳ではありません。しかし、主人公の名前であるマリア、羊、神の贈り物、等の言葉からメタ部分で宗教の要素を感じます。
過去に娘を失ったマリアは、雌羊が出産した「羊ではない何か」を神からの贈り物として自分の娘のように育てる。
このような宗教的エッセンスを感じる話がどのように展開して行くのか。神様が現れるのか、はたまたアダの存在を知った人々が殺しに来るのか。
そのような展開を期待していたら、冒頭5分の映像ですよ。
宗教的要素だと思っていたものは、結局ただのこじつけでしかありません。
何故なら、アダは神の贈り物などではなく、ただの羊人間の子供だからです。
この映画のテーマは「宗教」ではなく、
「宗教へのアンチテーゼ」だと自分は押し付けられたように思いました。
この映画の根幹を冒頭の映像で説明されたら、そりゃ気を失います。
他にも様々な考察があります。
皆の考察を見て、よりこの映画を楽しもうかと思います。
良い映画ですね。
P.S.
アダちゃん可愛い!