あらすじを書くのが苦手な私でも書きやすい内容。
人里離れた山間にポツンと建つ一軒家に住む羊飼いの夫婦のインクヴァルとマリア。ある日2人が羊の出産に立ち会うと、産まれてきたのは頭は羊、体の半分が人間という生き物だった。
子どもを失った(であろう)夫婦はその人間とも羊とも言えない子どもを自分たちの子として育てることにする。
ある日、子どもを取り上げられたとして家のそばで鳴き続ける母羊をマリアは鬱陶しく思い殺し、野に捨ててしまう。
そこからはインクヴァルの弟(ペートゥル)がやってきてアダ(羊の子)を受け入れるまでやアダのおかげで元の夫婦の関係が戻る様子が描かれている。
その後、ペートゥルがマリアに手を出そうとしたため彼女に車でバス停へ連れて行かれる。その間、インクヴァルとアダは漁網を見に出るが道中で何者かに銃で撃たれてしまう。
そこにやってきたのは羊の頭、身体は人間の裸の男だった。
撃たれた時にアダはインクヴァルに寄り添うように胸に顔を寄せていたことから、父親を心配していたように見える。
しかしアダは羊男に連れ去られてしまう。
帰ってきたところ2人がいないことに気づき、銃声を聞きその方へかけつけるがそこにいたのは死んだインクヴァルだった。そしてアダと羊男の姿はどこにもなく、残ったのはマリアひとりだった。
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【以下ネタバレ含む】
正直、母羊がアダのいる部屋の窓辺で泣き続けていたところからよくない終わり方をすることが見えていた。
セリフが少なめで映像の切り替わりもゆっくりなので、その間が不気味さを演出していた。
元々アダの顔は序盤から見えていたのでビジュアル的には驚きもなく、また終わり方もあっけなかったので感情をかき乱されるものではなかった。
クリスマスあたりに生まれた、しかも羊小屋で…というなにかカトリックと関係あるかなと勘繰っていたけど、それもなさそう。
もう少し不気味でダークな感じにしてくれると、印象に残る作品になりそう。
映像は美しく、芸術といわれればそうなんだろうと思えるが、これを2時間弱かけてみる必要があるかといわれると答えに困りそう。