ささ

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲のささのレビュー・感想・評価

4.5
文句無し傑作。

名作かどうかのラインでよくわかんなくなるときがよくありますが、これは間違いなく名作中の名作。
ジブリとかカリオストロの城(見たことねぇ)とか攻殻機動隊とかアキラとか、そんなのと並ぶくらいのアニメだと思う。普段のテレビシリーズでバックグラウンドが浸透してるぶんずるいけど。

しんちゃんにそんな詳しいわけではないけど、たぶん誰に聞いても、しんちゃん映画のトップはこれか戦国のどっちか。個人的はヤキニクも推したいが。
ヤキニクみたくなってきた。

半分以上大人を意識して作ってると思う映画。が、この映画が出来た時に小学生だった人たちはもう大人になって、ひろしとみさえの歳に近づいている。
だからこの懐かしさ、わかんねぇ。ただ29歳設定のみさえたちは昭和末期生まれだからこの感じが懐かしいのか果たして笑
そして高校生まで昭和の匂いにやられてるのはなぜなのか。ご愛嬌か笑

まさおくんぶっとばすぜベイベ!のシーンは姉弟で何度も巻き戻して腹抱えて笑った思い出。そして今で同じように笑える。チャコがひろしにパンツ見られるシーンは今でもかわいい。最後は今でも泣く。

行き過ぎた懐古主義が一応悪役として描かれているけど、この映画みたらむしろ懐かしくなっちゃいます。公開当時が。

序盤は春日部防衛隊に焦点を当ててアクション込み込みのドタバタ劇を十分に堪能できて、
最後は結局防衛隊の四人をフェードアウトさせて野原一家の団結が見られて感動。
完璧な展開。

悪の組織との対決なのに
しんちゃんが相手に暴力を振るうシーンが一つもなところがすごい。子どもたちは避けたり逃げたり、おしっこかけたり(おい)はするけど、殴ったり蹴ったりはしない。ゾウさんとかブリブリとかケツだけ歩きとか教育的にどうなんだと言われつつも、作者がいなくなっても終わらずに愛されてるのはここだと思います。
また、しんちゃんがぜんっぜい相手を悪く言わない。相手から暖簾に腕押し状態。
ここまで頑張るのは家族と一緒にいたいから。シロとかひまわりとまだ遊びたいから。決して相手を否定しない。それまでふざけて言ってた言葉がここで帯びるパワー。「お姉さんみたいな綺麗な人とたくさんお付き合いしたいから」この純粋さでぶつかってこられたらもう。何もできませんな。

ひろしの回想シーンとか。
泣くしかないよほんとに。
父ちゃんは父ちゃんなんだよ
がなんで靴の悪臭と共になんだよ。ほんとに泣ける。

大人になればなるほど、いろんな言葉や態度に出さない面が増えて、他人が怖くなって自分の汚いところをわかってきて、逆に子どもの純粋性が羨ましくなったりするから、みんなが子どものまま大人になれないもんかな。
と親友と話してて。
でも子どもの純粋性を持った大人が手を繋いで回ってはしゃいでたらなんか怖くない?ある意味、芸術的っていうか、そういう表現はありそうだよね。
って話になって。
いや、それこれじゃん!あったじゃん!!
ってなりました。笑


いくらかいてもかきたりねー。
戦国とヤキニクも観よ。

とりあえずオトナ帝国の逆襲とか、ここにもスターウォーズの影響があることに今なら気付けてビビった。ビビっときた。
他にもウルトラマンもだし、気づかないだけでいろんなパロディあるんだろうなー。
ささ

ささ