蕗

裸足で鳴らしてみせろの蕗のレビュー・感想・評価

裸足で鳴らしてみせろ(2021年製作の映画)
5.0
同性愛、男性同士、女性同士では差があると私は思っていて、身をもって体感したから分かるのだけど、女性同士の方が社会はやさしいと思う。
やさしいというか、まだ許してくれるみたいな。
同性愛というか恋愛に限らず、コミュニケーション・スキンシップも男性同士と女性同士とでは全然違ってて、女性同士は友達で手繋ぐしハグするしノリで一緒にお風呂入ったり、謎にトイレの個室一緒に入ったりとか、とにかく近くて、それが普通。
第三者が見ても疑問視しない。
男性同士は距離が近いとあの2人って…笑みたいな、ネタにされたりするのに。

どう触れたらいいのかわからない。
こんなに触りたいのに、幼い子たちみたいにプロレスするしか触る方法がない。
どんだけ傷ができても、それでも触りたい。愛でしかないってお互い分かってるのに、まっすぐなハグが受け入れられない。

君が将来禿げるとこ見れないって悔やむことができる相手ができるなんて、一生で1人いるかいないかじゃないかな。
男女だったらこんなに簡単に、理由なく触れ合えるのか…愛し合うシーンなのにめちゃくちゃ悲しくなった。

同性同士の愛の映画やドラマは最近多いし、それは全然悪いことではなくて、寧ろ良い方向だと思うのに、あなたたちをときめかせるために存在してるんじゃないって反発心を持ってしまうことがあって。


毒親ほどではないけど、家族(血の繋がった人)だから一緒にいなければならない相手に対する描き方も印象的だった。
みどりちゃんはマキと血が繋がっていないけれど、マキを愛する力もマキに愛される力があった。ナオミとも。

マキとナオミは何回2人で世界の各地を一緒に旅する妄想をしたんだろう。
これからも何回するんだろう。
部屋に一筋光が入るたびに、思い出しちゃうじゃんかー、、

見た後に心の中に言葉が止まらない映画でした。
蕗