【山形国際ドキュメンタリー映画祭2021 山形市長賞】
スペインのバレンシア地方、タイガーナッツの農場での一年を追った作品。
農業をひたすら追った一見地味なだけの作品に思えるが、観ていくうちに農場を破壊する都市計画、その農場の歴史が浮かび上がってくる。非常に巧みで興味深い作品に仕上がっている。
あとまだ小学生くらいの孫も手伝うのだが、すごくかわいい。孫もカメラを持ってクラスで自作映画を披露する。もちろん撮影クルーの協力あってのものだが、なかなかセンスを感じさせる作品にちゃんとなっていた。
おじいさんや娘、孫といった登場人物が寡黙ではあるがそれぞれ面白い。
また、さらっと流されがちな農業ってこんなにも大変なんだなというのも体感できた。雑なようで色んなことを考えながらじゃないとできない仕事だ。
計画は進んでおり避けられないようだが、結局どうなったかは分からない。静謐な自然映画としても素晴らしい作品。