りっく

エレクション 黒社会のりっくのレビュー・感想・評価

エレクション 黒社会(2005年製作の映画)
4.2
陶器のレンゲを皿の上で粉々に砕いて、口の中に流し込み、バリバリと音を立てながら噛み砕く。
自らに反対する者を木の箱に押し込み、高い崖の上から蹴り落とす。
牧歌的に釣りを楽しんでいると思いきや、大きな岩を頭に何回も打ちつける。
このフレッシュな暴力描写のつるべ打ち。
これだけでもジョニー・トー作品を観る価値がある。

物語も登場人物は多いにもかかわらず、一直線構造で大変見やすい。
竜頭棍(りゅうとうこん)をまるでバトンのようにリレーしていく面白さ。
そこから生まれる裏切りや仁義、和解、そして過酷な現実。
キャラの濃い男たちが、実にいい表情をしている。
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